【書評】イタリア発イタリア着(内田洋子氏)を読んだよ
皆さん、こんにちは!
たんたんとブログにあふれ出る思いをしたためています、Nahです。
今回のテーマ
イタリア発イタリア着(内田洋子氏)のレビューを書いてみます。
筆者(内田洋子氏)
イタリアにかかわり40数年のジャーナリスト
どんな書籍?
イタリアでの暮らしや出来事を記した紀行随筆集(観光地の描写はない)
手にとった理由
昨年の夏についに海外ひとり旅デビューをイタリアで果たしました!
純粋に「イタリア発イタリア着」というタイトルに惹かれました。
Nahは小説よりも随筆派。
書籍をとおして筆者様の経験を垣間見るのって楽しいですよね。
構成
- 留学した南部ナポリ
- 通信社の仕事をした北部ミラノ
- 港町や古びた船の上の生活
といった全八章で構成
そこで出会った街や人を中心に透明感のある文章で記されています。
所感
- 電車やバスの遅れ
- ゆるさや適当さ(適当にならざるをえないのかな)
- 大気汚染や渋滞
旅行としてのイタリアは歴史も文化も食事も魅力にあふれていますが、
イタリアに住むのは結構難易度が高い気がします。
Nahが観光したときは、どことなく「かげり」を感じました。
ただ、愚痴っぽくはなく、
筆者様のタフさや柔軟さがにじみでていて、
読み終えて本をとじるときにはなんだかほっこりしました。不思議。
ただ、前半五章までさくさく読めましたが、
六章の船上での生活にお話が進んだとたん、
急にわからなくなりました。
人間って現実離れしたお話を見聞きすると
頭フリーズするのかな?(六章以降あまり記憶ない。)
ピックアップ
*改めて納得したエピソード
ミラノで出会ったアントニオさん(編集部にネタを売る営業マン)
アントニオさん「僕にとっては、肉を三キロ売るのも、芸能スポーツを五キロ売るのも同じこと。物を売るのに変わりはないね」と。
プロの営業マンって品物関係ないのだなと思いました。(謎の感想)
*イタリアは公共交通機関が遅れがちなエピソード
ナポリではじめて大学教授と会う約束をした午前中。
渋滞がひどく1時間たっても路線バスはやってこない。
渋滞を見込んで「午前中」といったアバウトな約束だったとのちにわかる。
こういった状況では、焦ったり心細くなったりする方が多いと思います。
筆者様は青果店、魚屋、パン屋さんの朝の風景をフルに感じて
「待ち時間の贅沢を堪能する」と記しています。
ちなみに、Nahが昨年夏に訪れたときは、電車の遅延はありませんでした。
*ずっしりときたエピソード
筆者様のご友人が都市計画の最終図面を横取りされてしまいます。
そういった出来事たちを「ナポリの無数の破片は、私の胸のうちに棘のように刺さったまま今でも残っている。朗らかで、洗練され、美味で、心地よいイタリアに出会い陶然とするときも、私は必ずその棘に触れてみる」と表現されています。
こちらの表現を見たときに、なんとも言葉が詰まりました。
(イタリアのかげりの総括や・・・)
結論
イタリアを単に観光として楽しみたい方よりも、
イタリアを多角的に見たい方、イタリアの「かげり」を紐解きたい方におすすめです。
それでは!